第1回 時空量子連携研究機構/K2-SPRING量子ユニット 連携セミナーシリーズ

第1回 11月2日 13:00〜
場所:九州大学伊都キャンパス(ウエスト1号館 D棟 4階 414号室)IMIコンファレンスルーム
講師:麻生洋一先生(宇宙線研究所教授)
題目:重力波天文学と超精密計測技術の進展
概要:2015年の初検出以来、重力波天文学は急速に発展し、これまでに400近くの重力波イベントが観測されている。観測例が増えるにつれ、従来の予想より重い恒星質量ブラックホールの連星が数多く見つかるなど、宇宙の新たな姿が明らかになってきた一方で、その起源に関する新たな謎も生まれている。2017年に観測された連星中性子星の合体では、重力波と多波長の電磁波観測を組み合わせることで、宇宙における重元素の起源、ショートガンマ線バーストの発生機構、ハッブル定数の独立な測定など、天文学・宇宙物理学の幅広い分野に大きな影響を与える成果が得られた。こうした観測を支えているのが、極めて微弱な重力波信号を捉えるための、レーザー干渉計による超精密計測技術である。近年、重力波検出器の感度は、量子力学的な不確定性によって制限される領域に達している。そのため、スクイージングをはじめとする量子光学技術が、さらなる感度向上の鍵となっている。本セミナーでは、重力波天文学の最新の成果を紹介するとともに、それを支える超精密計測技術について解説する。さらに、DECIGOをはじめとする宇宙重力波望遠鏡の計画や、KAGRA を用いたアクシオン探索など、精密計測がひらく新しい研究についても紹介する。