講演題目 | 量子力学の基礎と高エネルギー物理との相互交流 |
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講師 | 筒井 泉 氏 (高エネルギー加速器研究機構・ダイヤモンドフェロー) |
日時 | 7月27日(木)16:40~18:00 |
場所 | 大学院講義室(W1-B211室) |
要 旨
近年、量子力学の基礎の研究は「量子もつれ」の性質や実証研究を通して量子情報科学への応用が進められ、最近では量子重力や初期宇宙、量子多体系の解明等に向けた研究が活発になされている。本講演ではB中間子を媒介として、これまで疎遠であった量子力学の基礎研究と高エネルギー物理との相互交流の可能性を示す2つの例を紹介したい。その一つはアハロノフの提案する新たな量子物理量「弱値」に基づくB中間子の崩壊寿命の延長であり、これを用いてCP破れ測定における精度の向上が期待される。もう一つはB中間子を用いたベル不等式の検証実験であり、これを通して(従来の低エネルギー光子を用いた実験では不明であった)高エネルギー領域における自然界の非局所実在性の確証が可能になる。
連絡先:理学研究院物理学部門
山本一博 (092-802-4047)
yamamoto@phys.kyushu-u.ac.jp